
完成検査と落成検査の違いとは何?
建物が完成するときにはいくつかの検査が行われますが、特に完成検査と落成検査という言葉を耳にすることが多いでしょう。この2つは似ているようで違う意味を持つ検査です。
まず、完成検査は建物の設計図や法律に沿って作られているかを確認するための検査です。建築基準法などに適合しているかどうかをチェックし、安全に使えるかどうかを判断します。
一方で、落成検査は建物が実際に完成した後、工事が正しく行われたかを確認する検査です。完成検査が計画や書類中心であるのに対し、落成検査は実物を細かく見て問題がないかを調べる検査といえます。
このように、完成検査は設計と法令遵守のチェック、落成検査は工事の仕上がり確認という違いがあります。
完成検査の具体的な役割と流れ
完成検査は、建物が法律に適しているかを確かめるために行われます。主に以下のポイントをチェックします。
- 耐震性や構造の安全性
- 火災防止のための設備
- 建築物の用途や規模に合った設計
- 居住や利用上の安全性
この検査は役所や建築主事が申請書類をもとに確認を行います。実際の建物を見ることもありますが、主に書類審査が中心です。
完成検査が問題なく終わると、「検査済証」と呼ばれる合格証が発行され、正式に使用許可が下りることになります。
この検査が終わらなければ、建物を使うことができないため非常に重要なプロセスです。
落成検査の具体的な役割と流れ
落成検査は、建物の工事がすべて終わったあとに行う最終確認の検査です。現地で実際の建物をチェックし、施工が仕様通りに行われているかを細かく調べます。
具体的には次の点が確認されます。
- 配管や電気設備の動作確認
- 壁や床の仕上がり状況
- 窓やドアの開閉状態
- 安全設備の有無と作動状態
この検査では施工不良や漏れ、傷などが見つかれば修正が求められます。落成検査は工事業者や管理者、場合によっては施主も立ち会って行うことが多いです。
検査に合格すると、建物の引き渡しがスムーズに行えます。
完成検査と落成検査の違いを表で比較
検査名 | 目的 | 検査内容 | 実施時期 | 主な検査者 |
---|---|---|---|---|
完成検査 | 設計図通りで法律に適合しているかを確認 | 設計図のチェック、書類審査、法令遵守確認 | 建物完成前後 | 役所(建築主事など) |
落成検査 | 実際の工事が仕様通り完了しているかを確認 | 現場での設備や仕上がりの検査、動作確認 | 工事完了後 | 施工業者、管理者、施主 |
このように完成検査と落成検査は検査の目的や内容、実施時期や検査を行う人も異なります。両者を混同しないことが重要です。
建物を作る過程で必ず通る検査なので、知識を持っておくと今後の生活や仕事にも役立つでしょう。
完成検査の重要なポイントの一つに「検査済証」の発行があります。この証明書があると、法律に適合し安全に使用できる建物であると認められたことになります。
実は建築の現場では、この検査済証を受け取るまでに多くの調整や書類のチェックが行われます。簡単に証明書がもらえるわけではなく、専門的な知識を持つ人たちが細かく検査を行うのです。
だからこそ、完成検査は建物の安全性を保証するための非常に大切な役割を果たしています。