
完成検査と竣工検査とは?基本を押さえよう
建物の工事が終わったときに行われる検査には、完成検査と竣工検査という二つの重要な種類があります。これらは似ているようで役割や目的が異なり、建築業界ではどちらも欠かせない工程です。
完成検査は、建物が法令や設計図にそって正しく作られているかを確認するための公式な検査で、主に行政や検査機関が関わります。一方、竣工検査は、施工者と発注者が建物の仕上がりを最終確認するための社内的な検査で、完成検査よりも実際の引き渡し前に行われるケースが多いです。
これらの違いを理解することは、建物の安全性や品質を確保するために非常に重要です。
完成検査の役割と特徴
まず、完成検査は主に行政機関が行う検査で、建物が法律に則っているかどうかをチェックします。これには建築基準法や消防法などの法令遵守が含まれており、建物を正式に利用開始できるかどうかの判断材料になります。
完成検査は公的な検査であるため、合格しなければ建物の使用許可を得られず、引き渡しはできません。検査の内容は構造の安全性、耐火性能、防火設備、排水設備など多岐にわたります。建築主や施主も検査に立ち会うことができ、透明性が求められます。
この検査に合格すると、「検査済証」という書類が発行され、これが建物の正式な利用証明となります。
竣工検査の役割と特徴
一方で竣工検査は、建物が完成した際に施工者側や発注者が互いに建物の仕上がりや設備の動作確認を行うための検査です。
竣工検査は法的な義務ではなく、会社間の契約や品質管理の一環として行われることが多いです。例えば壁の傷や塗装のムラ、設備の不具合など細かい点もチェックし、引き渡し後のトラブルを防ぐ目的があります。
この検査を通じて不具合が見つかれば、施工者は修正や手直しを行い、施主も安心して引き渡しを受けることができます。
竣工検査は完成検査のような公的書類の発行はありませんが、建築現場の品質に直結する非常に大切なステップです。
完成検査と竣工検査の違いを比較表で確認
ポイント | 完成検査 | 竣工検査 |
---|---|---|
実施主体 | 行政機関や公的検査機関 | 施工者と発注者 |
目的 | 法律や条例の適合確認 | 建物の仕上がりや設備の状態確認 |
法的義務 | 必須 | 任意(契約による) |
検査内容 | 構造安全性、防火・衛生等の法令遵守 | 外観や内部仕上げ、設備の動作確認 |
結果の証明 | 検査済証の発行 | 書面による証明は必須ではない |
まとめ:完成検査と竣工検査はどちらも重要!
完成検査と竣工検査は建物の引き渡しまでのプロセスにおいて、それぞれ異なる役割を持っています。
簡単に言うと、完成検査は公的な審査で法令の適合性を確認し、竣工検査は施工会社と施主が品質や仕上げを最終確認する社内的な検査です。
この違いを理解することで、建築現場でのトラブルを避け、安全で安心な建物の引き渡しができるようになります。
また、それぞれの検査の役割を大切にすることが、良い建物作りの基本です。
建築の知識がなくても、これらの検査の目的や違いを知っておけば、住宅購入時やリフォーム時に役立つ情報となるでしょう。
完成検査の際に発行される「検査済証」について、実は非常に重要な役割があります。この証明書がなければ建物の正式な使用は認められません。
検査済証は、建物が法律に合っているというお墨付きのようなもので、これがないと住宅ローンの申請や不動産売買で問題が起きることも。つまり完成検査は単なるチェックではなく、建物の社会的信用を支える重要なプロセスなんですよ。
こんな風に見ると、完成検査って意外と身近で大事なものだと感じませんか?