
簿記の基礎を学ぼう:簡易簿記と複式簿記とは?
簿記とは、お金の出入りや取引を記録して、会社やお店の経済状態を管理する方法のことです。
その簿記には大きく分けて簡易簿記と複式簿記の2種類があります。
簡易簿記は名前の通り、シンプルでわかりやすいやり方で、小さなお店や個人事業主が使うことが多いです。反対に、複式簿記は取引の記録が細かくて正確で、大きな会社や会計の専門家がよく使います。
この2つの違いをしっかり理解することは、お金の管理を正しく行うためにとても大切です。
簡易簿記の特徴と使い方
簡易簿記は、売上や支出をまとめて記録する方法です。主に現金の出入りや、簡単な収入と費用を書き込むだけなので、記録が簡単です。
例えば、小さな喫茶店やフリーランスの人が使います。とてもわかりやすいので、初めて簿記を学ぶ人にもおすすめです。
簡易簿記は、帳簿に大きく分けて「現金出納帳」や「収支内訳書」などを使い、現金の増減や収支の流れをまとめて管理します。
ただし、資産や負債の細かい情報までは記録しないため、全体の正確な経済状況は把握しにくい面もあります。
複式簿記の特徴とメリット
複式簿記は、すべての取引を借方(左側)と貸方(右側)に分けて記録する方法です。
これにより、どこからお金が入ってきて、どこに使われたのかを正確に追跡できます。
例えば、売上があったときには「売上」と「現金」の両方を記録し、資産の増減と収益の発生を同時に管理します。
この方法は日本だけでなく世界中で使われている基本的な簿記の方法で、会計の専門家も使う信頼性の高い記録法です。
また、資産や負債の動きもしっかり管理できるので、会社の経営状態を正確に把握したいときに役立ちます。
簡易簿記と複式簿記の違いを表にまとめてみよう
項目 | 簡易簿記 | 複式簿記 |
---|---|---|
記録方法 | 収入と支出をまとめて記録 | 借方・貸方に分けて二重記帳 |
対象 | 小規模事業者・個人事業主向け | 中規模から大規模の会社向け |
正確さ | 簡単だが情報は限定的 | とても正確・詳細に管理可能 |
費用・手間 | 低い | 高い(専門知識が必要) |
法律上のメリット | 簡易課税制度の利用が可能 | 詳細な決算書作成が可能 |
どちらを選ぶべき?それぞれの適した使い方
事業の規模や目的によって、簡易簿記が合っているか複式簿記が良いかが変わります。
簡易簿記は手間がかからず費用も安いため、初めての事業や小規模な商売をしている人に最適です。
一方、ビジネスが成長して取引が増えたり、銀行からの融資や投資家への報告が必要になったりすると、複式簿記を使った方が経営の管理がしやすくなります。
また、税務署への提出や法的要件を考慮すると、複式簿記のほうが好まれるケースもあります。
まずは自分の事業の規模や目的をしっかり考えて、どちらの方法が良いか選びましょう。
複式簿記がどうして“借方”“貸方”に分けて記録するのか疑問に思ったことはありませんか?これは取引のバランスを必ず保つためなんです。例えば、商品を売ってお金が増えたとき、その増えたお金はどこから来たのか(売上)も同時に記録することで、帳簿全体の数字の整合性を守る役割があるんです。ちょうどお金の「入る」と「出る」を同時に見る、ダブルチェックの仕組みと考えるとイメージしやすいですね。
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