
HPV検査と細胞診の違いって何?基礎を押さえよう
女性の健康管理でよく聞くHPV検査と細胞診(パパニコロウ検査)は、どちらも子宮頸がんの早期発見に役立つ重要な検査です。けれども、役割や方法がちょっと違うので、それぞれの特徴を知ることがとても大切です。
まず、HPV検査は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染の有無を調べる検査です。HPVは子宮頸がんの主な原因となるウイルスなので、その感染を早く知ることでがん予防につながります。
一方、細胞診は、子宮の出口部分から細胞を採取し、その細胞に異常がないかを直接調べる検査です。細胞の形や大きさを詳しく見ることで、がんやその予備群のサインを見つけます。
要するに、HPV検査は「ウイルスの存在を調べる」、細胞診は「細胞自体の異常を調べる」検査と覚えましょう。
検査方法と結果の違い:どうやって調べるの?結果はどう分かる?
検査方法の違い
HPV検査も細胞診も、どちらも子宮の入口付近から細胞を採取します。専用のブラシや綿棒を使って優しくこすり取る感じで、痛みはほとんどありません。採取した細胞は検査機関に送られて、それぞれの目的に応じた方法で詳しく調べられます。
結果の違い
HPV検査の結果は、「HPVがある」か「ない」かが基本情報です。
・HPV陽性:がんを引き起こす可能性のあるウイルスがいる状態。
・HPV陰性:ウイルスが検出されなかった状態。
一方で細胞診の結果は、細胞の状態に応じて数段階に分類されます。正常な細胞から、前がん状態、さらにはがん細胞が見つかった場合まで細かく区別されます。
このようにHPV検査は感染リスクの有無を示し、細胞診は実際の細胞の変化を示すため、それぞれ異なる視点での情報を得られます。
どちらを受けるべき?使い分けのポイントと費用の違い
どちらを受けるかの判断
日本の子宮頸がん検診では、一般的に細胞診が中心となっています。細胞診は異常があった際に、がんやその予備群の早期発見につながるためです。一方でHPV検査は、より詳細にリスクを知りたい場合や細胞診だけでは分かりにくいケースで補助的に使われることが多いです。
最近では、HPV検査と細胞診を同時に行う「併用検査」も増えてきています。これにより感染の有無と細胞の異常の両方をチェックでき、より正確な診断が可能になります。
費用の違い
細胞診の費用は公的検診で安価に受けられることが多いですが、HPV検査は保険適用の条件が限られているため、やや高額になることがあります。費用は検査を受ける施設によっても異なるので、事前に確認することが重要です。
HPV検査と細胞診をまとめて比較してみよう
項目 | HPV検査 | 細胞診 |
---|---|---|
目的 | HPVウイルスの感染有無の確認 | 子宮頸部の細胞異常の検出 |
検査対象 | ウイルスのDNA | 細胞そのもの |
検査方法 | 子宮頸部から細胞を採取し、ウイルスを調べる | 子宮頸部から細胞を採取し、顕微鏡で観察 |
結果 | 陽性/陰性で示される | 細胞の異常レベルが細かく分類される |
メリット | 感染リスクが早期に分かる | 細胞の異常があるか直接確認できる |
デメリット | 感染しても細胞に異常がない場合がある | 早期の感染だけは捉えにくい |
費用 | やや高いことが多い | 公的検診の場合は比較的安価 |
以上のように、HPV検査と細胞診は目的や方法、結果の見方が異なりますが、お互いに補い合う大切な検査です。健康管理のために、医師や検査機関の説明をよく聞いて、適切な検査を選びましょう。
HPV検査で面白いのは、ウイルスの存在が分かっても、必ずしもがんになるわけではないという点です。実はHPVに感染しても体の免疫がウイルスを撃退することが多く、多くの人は自然に治ります。
なので、HPV陽性と言われても、怖がりすぎず、定期的な検査や医師の指示に従うことが大切なんです。
この感染と細胞の異常発生の関係は、まるでウイルスとのお見合いみたいなもの。感染はチャンス、でも結婚(がん化)するかはまた違う話。そんなイメージで覚えておくといいかもしれませんね。
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