
水晶体とは?
水晶体は、私たちの目の中にある透明なレンズのことです。目の中で光を集めて網膜に焦点を合わせる役割を担っています。
水晶体はカメラのレンズのような役割をしていて、近くや遠くのものを見るために厚みを変えてピントを調節できます。この働きを「調節力」と呼びます。
年をとるにつれて水晶体は硬くなり、弾力を失って調節力が低下します。これが老眼の原因です。
また、加齢や病気で水晶体が濁ると「白内障」となり、視界がぼやけて見えにくくなります。
水晶体は、人が生まれてからずっと目の中で使っている自然のレンズなのです。
眼内レンズとは?
眼内レンズは、白内障手術などで濁った水晶体の代わりに目の中に入れる人工のレンズです。
白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに透明な眼内レンズを入れて視力を回復させます。
眼内レンズはプラスチックやシリコン製で、非常に薄く軽いものです。形や度数は患者さんの目に合わせて選ばれます。
ただし、眼内レンズは厚みを変えてピントを調節することはできません。つまり調節力はなく、水晶体が持つピント調節機能は失われます。そのため、術後は近くを見るためにメガネが必要になることもあります。
しかし、近年は乱視を矯正できるものや近くも見やすい多焦点レンズなど、機能が向上した眼内レンズもあります。
水晶体と眼内レンズの違いまとめ
水晶体と眼内レンズの違いをわかりやすく表にまとめました。
ポイント | 水晶体 | 眼内レンズ |
---|---|---|
性質 | 自然のレンズ。透明で柔軟。 | 人工のレンズ。プラスチックやシリコン製。 |
焦点調節 | 可能(調節力あり)。近くも遠くも見える。 | 不可(調節力なし)。多焦点型は一部対応。 |
場所 | 目の中に自然に存在。 | 手術で水晶体の代わりに挿入。 |
寿命 | 一生もの。ただし加齢で機能低下あり。 | 基本的に一生使用可能。 |
役割 | 光を通して焦点を合わせる。 | 視力回復のために使用。 |
このように、水晶体は目が持つ天然のレンズであり、眼内レンズはその役割を補う人工のレンズです。
白内障手術では水晶体を取り除き、眼内レンズを入れて光学機能を維持します。
調節力がなくなるため生活で感じる変化もありますが、視力改善のために欠かせない技術です。
これから手術を考えている方や、目の仕組みに興味がある方は、両者の違いを理解して安心して治療に臨めるといいですね。
眼内レンズの話をすると、最近は多焦点レンズの話題がよく出ます。通常の眼内レンズは調節力がありませんが、多焦点レンズは近くも遠くも見やすいように設計されています。
でも実は、多焦点レンズにもメリットとデメリットがあり、夜間にハローやグレア(光のにじみ)が見えることもあるんです。だから選ぶときは自分の生活スタイルや目の状態をよく考えることが大切ですね。
ちょっとした話ですが、このレンズの進化は目の医療技術の凄さを物語っています。
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