
供託とは何か?
まずはじめに、供託(きょうたく)について理解しましょう。供託とは、法律で決められた特別な場所で、お金や物を預けることを言います。例えば、借金の返済で相手に渡せない場合、裁判所の供託所にお金を預けることで、返済した証拠を残すことができます。
供託は主に法律上の義務や争いを解決するために使われる制度で、供託所という公的機関にお金や物を預けることで、預けた人の権利を守ったり、相手が受け取らないときの安全な保管場所になったりします。
たとえば、賃貸で家賃をめぐってトラブルになった場合、家主が受け取らないお金を供託することで、借り手は責任を果たしたことになります。
供託は国や裁判所といった公的な場所に預けるため信頼性が高いという特徴があります。
預託とは何か?
次に、預託(よたく)について説明します。預託はお金や物を誰かに預ける行為の総称で、供託ほど法律的に特別な意味はありません。簡単に言うと、誰かに物やお金を預けること全般を指します。
例えば、銀行にお金を預けること、宅配業者に荷物を預けることも預託の一種です。
預託のポイントは、預けた相手と契約を結んでいる場合が多いことです。つまり、預ける側と預かる側の関係があり、預かる側が物を守ったり返したりする義務があります。
預託は、契約に基づく個人や民間企業間の取り決めであるため、供託とは異なり公的な手続きではありません。
「供託」と「預託」の違いを表で比較
項目 | 供託 | 預託 |
---|---|---|
目的 | 法律上の義務の履行や争いの解決 | お金や物の保管や管理 |
場所 | 供託所(裁判所や法務局などの公的機関) | 預かる相手(個人や企業) |
法的根拠 | 供託法など法律に基づく | 民法上の契約に基づく |
利用例 | 借金返済の代わりに供託する、家賃の不払い時の供託 | 銀行預金、宅配荷物の預け入れなど |
公的性 | 公的で信頼性が高い | 私的な契約による |
まとめ
供託と預託は似ているようで全く違う法律上の概念です。供託は法律の手続きとして裁判所や法務局のような公的機関にお金や物を預け、法的トラブルを解決したり権利を守ったりします。
一方、預託は契約に基づいて物やお金を誰かに預ける行為の総称で、銀行にお金を預けることなどが含まれます。
それぞれの違いを知っておくことで、法律の場面でも日常生活でも困らず使い分けができるようになります。
わかりやすく言うと、供託は公式の「保管BOX」に入れているイメージ、預託は「誰かに預けること全般」と考えると理解しやすいでしょう。ぜひ参考にしてください!
「供託」と「預託」の違いは、実はどこにお金や物を預けるかという点にあります。供託は裁判所や法務局といった公的機関に対して行うものなので、預けた物は法律的な力を伴います。例えば、借金の返済が問題になった場合、相手に直接渡さず供託所に入れれば、法律的に返済したとみなされます。
一方、預託は民間の人や会社に預ける行為。信頼できる相手に物を預け、紛失しないよう管理してもらう契約です。
つまり、供託は公の安全な場所に預ける法律上の仕組みで、預託は私的な預け入れの契約という違いなんです。どちらも預ける行為ですが、その背景にある法律や仕組みが大きく異なるんですね。
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