アルカレミアとアルカローシスの違いを徹底解説｜中学生にもわかる血液のpH入門

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はじめに：アルカレミアとアルカローシスの基本

「アルカレミア」は血液のpHが正常範囲を超えてアルカリ性に傾いた状態を指します。通常、血液のpHはおよそ7.35〜7.45の範囲に保たれていますが、この範囲を超えると体の細胞に影響が出てしまいます。
この状態は呼吸や腎臓の働きが崩れた時に起こりやすく、軽い違和感から激しい症状までさまざまです。

「アルカローシス」はこのようなアルカリ性の高まりを引き起こす病態の総称で、呼吸性と代謝性の2つに大別されます。
つまりアルカレミアは「状態そのもの」、アルカローシスはその状態を生み出す病態の名称と理解すると混乱が少なくなります。さらに、アルカローシスは特定の原因によって悪化したり改善したりする可能性があり、適切な診断と治療が重要です。

正常なpHは7.35〜7.45で保たれており、呼吸の換気量や腎臓の酸塩基排出機能が鍵です。
呼吸が早く過剰に換気されると二酸化炭素（CO2）が減って血液が過度にアルカリ性へ傾くため、急性のアルカレミアを生むことがあります。逆に腎臓が働いてHCO3-を調整する機能が乱れると、慢性的にアルカローシスへ進むこともあります。

このような状態を正しく理解するには、血液の状態を示す指標を複数見ることが大切です。pHだけでなく、PaCO2（動脈血ガスの酸性度を示す指標）、HCO3-（重炭酸イオンの量）を同時に確認します。急性か慢性か、呼吸性か代謝性かを判断する手掛かりにもなります。臨床現場では、これらの数値の組み合わせによって治療方針が決まります。

さらに、アルカレミアとアルカローシスの違いを日常の文脈で捉えると、症状の理解が深まります。例えば吐き気や嘔吐、過度な発汗、下痢、過換気などはアルカローシスの原因や合併症として現れることがあり、患者さんの訴えを整理する際に役立ちます。体のバランスを崩すと、頭痛・めまい・しびれ・筋肉のこわばりといった症状が出ることもあります。これらを見逃さず、適切な受診につなげることが大切です。

なお、アルカレミアとアルカローシスは密接に関係しますが、同じ意味ではない点を押さえておくと混乱を避けられます。
臨床の場面ではpHの上昇だけでなく、原因と連動する他の数値も合わせて判断します。反対に、アルカローシスの診断がついた場合も、原因を特定して対処することが最も重要です。

ピックアップ解説

休み時間の雑談で友だちとアルカローシスの話題になりました。彼は「呼吸が速いと体がアルカリ性になるんだろう？」と言いましたが、私はちょっと待ってと伝えました。確かに呼吸が過換気してCO2が減るとpHは上がりやすくなりますが、アルカローシスには呼吸性だけでなく代謝性のパターンもあるのです。代謝性では吐き気や嘔吐、長引く下痢、薬の影響などでHCO3-が増えて起こることもあります。つまり、アルカローシスという現象は体の酸性とアルカリ性のバランスを崩す“病態の総称”であり、原因を探って対処することが大切だと説明しました。友だちは「なるほど、pHだけではなく原因と体の働きを見るんだね」と感心していました。こうした身近な会話が、医学の難しい言葉を少しやさしくしてくれるのだと感じます。

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