
マネーサプライとマネーストックって何?
まずはマネーサプライとマネーストックという言葉の意味から説明します。どちらもお金の量を表す言葉ですが、ちょっとだけニュアンスが違います。
簡単に言うと、マネーサプライは「経済全体で流通しているお金の総量」を指す言葉です。一方、マネーストックは「ある時点で社会に存在しているお金のストック(蓄え)」を意味します。
この違いは少しあいまいに感じるかもしれませんが、実際の使われ方には明確な違いがあります。次の章で詳しく解説していきます。
マネーサプライとマネーストックの詳しい違い
マネーサプライは、供給されるお金の量を強調した言葉で、経済の中でどれくらいのお金が動いているのかを表しています。日本銀行や経済学の文献では「マネーストック」とほぼ同じ意味で使われることも多いですが、厳密に言うと以下のような違いがあります。
・マネーサプライ(Money Supply)は、中央銀行がコントロールし、経済へのお金の供給量を指します。つまり、経済にどれくらいのお金を流すかというコントロール可能な数字です。
・マネーストック(Money Stock)は、すでに社会に存在しているお金の総量で、財布にある現金や銀行預金など現実のお金の蓄えを示しています。
簡単に言えば、マネーサプライは「<経済に出すお金の『供給量』>」、マネーストックは「<実際に経済に『存在しているお金の量』>」ということです。
マネーサプライとマネーストックの区分例とまとめ表
日本銀行では、マネーの量を示す指標としてM1、M2、M3などの区分があります。これらの区分はマネーストックの種類を表しているのですが、マネーサプライとも呼ばれていて少し混乱しやすいです。
簡単な区分は以下の通りです。
- M1: 現金+普通預金など、すぐに使えるお金
- M2: M1に加えて定期預金など比較的使いやすいお金
- M3: M2に加えてより長期の預金なども含む
これらはすべてマネーストックの指標であり、マネーサプライを測るための数字といえます。
下の表はマネーサプライとマネーストックの違いをわかりやすくまとめた表です。
項目 | マネーサプライ | マネーストック |
---|---|---|
意味 | 経済に供給されているお金の量 | ある時点で実際に存在しているお金の量 |
範囲 | 中央銀行の政策に関わる供給量 | 現金や預金など社会に実在する資金 |
例 | 政策目標としての供給量 | M1、M2などの預金や現金の合計 |
確認方法 | 主に中央銀行の発表・経済指標 | 統計データや金融機関の預金残高 |
なぜマネーサプライ・マネーストックの違いを知ることが重要?
経済や金融のニュースで「マネーサプライが増えた」「マネーストックが増加している」と言われることがあります。これらは似ている言葉ですが、内容には注意が必要です。
例えば、マネーサプライが増えると、中央銀行が経済にお金をより多く供給していることを意味し、景気を良くしようとする政策の一環です。ただし、実際に経済の中にお金が行き渡っているかは別問題で、それを示すのがマネーストックです。
つまり、マネーストックの動きを見ることで、政策の効果の実態を確認できます。この違いを理解しておくと、経済ニュースの意味がぐっとわかりやすくなります。
また、金利、インフレーション、景気動向など経済のさまざまな要素を考えるうえで、マネーサプライとマネーストックの違いは基本知識となります。
まとめ
この記事ではマネーサプライとマネーストックの違いについて解説しました。
- マネーサプライは経済に供給されているお金の量を指し、中央銀行の政策に関わる
- マネーストックはある時点で社会に実際に存在するお金の総量を意味する
- 日本銀行のM1、M2、M3はマネーストックの指標
- この二つの言葉の違いを理解すると経済ニュースの見方が変わる
今後ニュースや経済情報をチェックするときは、ぜひマネーサプライとマネーストックの違いにも注目してみてください。お金や経済のしくみがより身近に感じられるはずです。
マネーストックって聞くと、単に「お金の量」と思いがちですが、実はその中には「M1」「M2」「M3」といった区分があるんです。たとえばM1は現金やすぐ使える預金で、M2やM3になると定期預金や投資に近いお金も含まれます。つまり、マネーストックは単に『お金の総量』だけでなく、その中でも「すぐ使えるお金」と「長期的に蓄えられているお金」を分けて考える視点があるんです。これでニュースの「M2増加」なんて話もグッとわかりやすくなりますよ!
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