
健康保険証と社会保険証の基本的な違いとは?
まずは、健康保険証と社会保険証がそれぞれ何を指すのかをしっかり理解しましょう。健康保険証は、病院や薬局で使う保険に加入していることを証明するカードのことです。一方で、社会保険証という呼び方は実は正式なものではなく、社会保険に加入している人が持つ健康保険証を指すことが多いです。
健康保険は、医療費の一部を助けてくれる制度で、日本には国民健康保険と社会保険の大きく2つがあります。
国民健康保険は市町村が運営し、自営業者や無職の人が主に加入しています。
社会保険は会社員や公務員が加入し、これがいわゆる社会保険証を持つ人たちです。これが一番の違いです。
つまり、社会保険証とは健康保険証の一種で、会社などを通じて加入した健康保険の保険証というイメージを持ってください。
わかりやすく言うと、「すべての健康保険証は保険証だが、社会保険証というのはその中の会社員向け健康保険証」と理解するのが良いでしょう。
健康保険と社会保険の違いをさらに詳しく比較!
健康保険と社会保険の違いは加入対象と保険料の出し方にあります。
<健康保険>
・主に自営業者や退職者、フリーランスが加入。
・全国の市町村が運営する「国民健康保険」が中心。
・保険料は全額自己負担で、所得に応じて決まる。
<社会保険>
・会社員や公務員、一定規模の企業の従業員が対象。
・企業と従業員が保険料を折半。
・健康保険のほか、厚生年金や介護保険、雇用保険も含まれる。
下の表でまとめるとわかりやすいです。
特徴 | 健康保険(国民健康保険) | 社会保険 (会社員の健康保険) |
---|---|---|
加入対象 | 自営業者、退職者、学生、無職の人 | 会社員、公務員、厚生年金保険の加入者 |
保険料の負担 | 全額自己負担 | 会社と従業員で折半 |
運営 | 市町村 | 健康保険組合または全国健康保険協会 |
その他の保険 | 医療費補助のみ | 医療費補助+厚生年金などの社会保険総合制度 |
このように、社会保険証は会社に勤めている人が持っている健康保険証であり、それには医療保険だけでなく厚生年金など様々な保障が含まれています。
なので社会保険証は健康保険証の上位にあたるイメージで、単に「保険証」と呼ぶ場面でも、会社員の保険証は社会保険証と呼ばれることが多いのです。
健康保険証と社会保険証の使い方と持ち方の違い
では日常生活でこの2つの保険証の違いがどのように現れるのかについて説明します。
まず、健康保険証も社会保険証も、病院や薬局で提示して医療費の3割負担を軽減するために使います。
どちらも医療機関で保険適用の治療を受ける際に必要です。
違いは、社会保険証の場合は、会社が加入している健康保険組合や全国健康保険協会から発行されます。転職すると新しい社会保険証に切り替わるので、健康保険証の更新の手続きも会社が代行してくれます。
一方で国民健康保険の健康保険証は、市区町村から交付されます。引越しや扶養の変更などは本人が手続きをします。
つまり、社会保険証は会社を通じて管理されることが多いため、更新や手続きが比較的楽です。
健康保険証は自分で役所に行って管理するイメージです。
まとめると、日常の使い方はほとんど同じですが、発行主体と手続き方法に違いがあります。
「社会保険証」という言葉は実は法律上の正式名称ではありません。これは、会社員や公務員が加入している健康保険の保険証のことを俗にそう呼ぶのが一般的だからです。
ところで、社会保険には健康保険のほかに厚生年金や雇用保険も含んでいます。そのため、社会保険証と言うと健康保険証に加えて他の社会保障の存在を思い浮かべる人も多いんです。
日常的には「社会保険証=会社員の健康保険証」と思って問題ありませんが、専門的には健康保険証が正しい名前なので、役所や会社から届く書類をよく見てみると健康保険証と書かれていますよ。
この呼び方のちょっとした違いを知っていると、健康保険の話題が出たときに「あ、なるほど!」と感心されること間違いなしです。
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