
SMTPとSNMPの基本とは?
まずはSMTP(エスエムティーピー)とSNMP(エスエヌエムピー)の基本について説明します。
両者は似たような名前ですが、まったく違う役割を持つネットワークのプロトコルです。
SMTPは「Simple Mail Transfer Protocol」の略で、主にメールを送信するときに使われるルールのことです。皆さんがメールを送るとき、メールサーバー間でメールのやり取りをスムーズに行うためにSMTPが使われています。
一方、SNMPは「Simple Network Management Protocol」の略で、ネットワーク管理者がネットワーク機器(ルーターやスイッチなど)を監視・管理するために使われるプロトコルです。つまり、SNMPはネットワークの状態をチェックしたり、設定を変更したりするために役立ちます。
このように、SMTPは「メールを送るための仕組み」、SNMPは「ネットワークを監視・管理するための仕組み」と覚えるとわかりやすいです。
SMTPとSNMPの役割や仕組みの違い
SMTPはメールの送信と転送を担当し、ユーザーがメールを送信するとき、相手のメールサーバーまで届ける役割があります。
メールはSMTPサーバーを経由してドメインや宛先のメールボックスに送られます。SMTPはメール転送のルールを決めているプロトコルで、送信専用です。受信は別の仕組み(POP3やIMAP)が使われます。
SNMPはネットワーク機器の情報収集と制御を行います。ネットワーク機器に備わったエージェントと呼ばれるソフトと通信して、機器の状態やトラフィック量、エラー情報などを取得したり、リモートで設定を変更したりできます。
管理者はSNMPを使って、不具合や動作状況をリアルタイムで把握し、トラブルの予防や監視を行います。
このように、SMTPはメール送信のための通信ルールであり、SNMPはネットワーク機器の監視と管理のための通信ルールであるという役割の違いがあるのです。
SMTPとSNMPの特徴を表で比較!
以下の表に、SMTPとSNMPの特徴をわかりやすくまとめました。
項目 | SMTP | SNMP |
---|---|---|
フルネーム | Simple Mail Transfer Protocol | Simple Network Management Protocol |
目的 | メールの送信・転送 | ネットワーク機器の監視・管理 |
主な使い道 | メールサーバー間のメール送信 | ネットワーク機器の状態監視、設定変更 |
通信方向 | 主に送信専用 | 通信の双方向(監視情報の取得や指示) |
対応機器 | メールサーバー | ルーター、スイッチ、サーバーなどネットワーク機器 |
代表的な書式 | RFC 5321など | RFC 1157、RFC 1901〜 |
このように、用途や通信の仕組み、対象機器が大きく異なることがわかります。
SMTPとSNMPの覚え方と使い分けのポイント
中学生でも覚えやすいように、SMTPとSNMPの違いを簡単に言うと、
- SMTP:メールを送るためのルール・仕組み
- SNMP:ネットワーク機器を監視・管理するためのルール・仕組み
つまり、メールの世界で使うのがSMTPで、ネットワークの機械の健康診断や操作に使うのがSNMPです。
仕事や学習でネットワーク関連の用語に触れるときは、文脈でどちらのことを言っているのか判断しましょう。覚え方のコツは、「SMTPはメールだけど、SNMPはネットワーク機器」とインパクトのあるフレーズで暗記することです。
SMTPとSNMPの名前が似ているのでよく混乱しますが、実は目的がまったく違うんです。ここでちょっと面白い点は、どちらも「Simple」という言葉が最初についていること。これは「シンプルなルールで何かを実現する」という趣旨で作られたプロトコルという共通点があるんです。
SMTPはメールという情報を簡単な決まりに沿って送るために作られましたが、SNMPはネットワークのあらゆる機器の故障やトラブルを探すために作られています。
だから、どちらも地味だけど重要な役割を果たしているんですね。覚えるときは、“メールの簡単ルール”=SMTP、
“ネットワークの簡単監視ルール”=SNMPと考えてみてください。
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