
CIDRとは何か?ネットワークの新しい表記方法を学ぼう
CIDR(Classless Inter-Domain Routing)は、インターネット上で使われるネットワークアドレスの表記方法の一つです。
従来のクラスフルなIPアドレス区分け(クラスA、B、C)は決められた範囲でしかネットワーク設定ができず、アドレスが無駄になりやすい問題がありました。CIDRはこの問題を解決するために登場しました。
CIDRはIPアドレスの後に“/”(スラッシュ)と数字を付けて表記します。この数字はネットワーク部分のビット数を示しており、例えば「192.168.0.0/24」は先頭24ビットがネットワーク部であることを意味します。
こうすることで「ネットワークの大きさを自由に設定できる」のが大きな特徴です。昔のようなクラスに縛られず、必要なサイズで柔軟にネットワークを分割・割り当てできるので、アドレスの有効利用が進みました。
サブネットマスクとは?ネットワークの区切りを示すもの
サブネットマスクは、IPアドレスのどの部分がネットワークを表し、どの部分がホスト(機器)を示すかを分けるためのビットの並びです。
例えば「255.255.255.0」という表記がよく使われます。これは、IPアドレスの先頭の24ビットがネットワーク部であることを示していて、残りの8ビットがホスト部になります。
つまり、サブネットマスクは「ネットワーク部分とホスト部分の境界」を明確にする役目を担っています。この情報をもとに、機器は同じネットワークにいるかどうかを判断できるのです。
CIDR表記の「/24」は、サブネットマスク表記の「255.255.255.0」と同じ意味を持っています。数字が違うだけで、情報の中身は同じものを示しています。
CIDRとサブネットマスクの違いと使い分けについて
CIDRとサブネットマスクは、ネットワークの範囲を示す情報ですが、表記方法や使い方に違いがあります。
まず、CIDRはスラッシュと数字の簡潔な表記でネットワークサイズを示します。
一方、サブネットマスクは255や0の数字を並べた形式でマスク自体のビットパターンを見せます。
実際の使い方では、CIDRの表記が簡単なため、IPアドレス範囲の指定やルーターの設定などでよく使われます。
サブネットマスクは、詳細なネットワーク設定や機器の設定画面などで使われることが多いです。
下の表で違いを比べてみましょう。
項目 | CIDR | サブネットマスク |
---|---|---|
表記例 | 192.168.1.0/24 | 255.255.255.0 |
意味 | ネットワーク部のビット数を数字で表現 | ネットワーク部のビットを255で示すビットマスク |
用途 | ネットワーク範囲のコンパクトな指定 IPアドレス割当 | 機器設定や詳細ネットワーク設定でのビット指定 |