
口座差し押さえと給与差し押さえの基本的な違いとは?
借金の返済や未払いのトラブルが起きると、「差し押さえ」という措置が取られることがあります。
その中でも「口座差し押さえ」と「給与差し押さえ」はよく耳にする言葉ですが、実は性質や仕組みが異なります。
口座差し押さえはあなたの銀行口座にあるお金を強制的に取り上げる手続きであり、給与差し押さえはあなたが会社から受け取る給料の一部を直接差し押さえることを指します。
両者は差し押さえの対象や手続き方法、影響の出方が違うため、混同しないことが大切です。これから、それぞれの特徴や違い、注意点を詳しく見ていきましょう。
口座差し押さえの特徴とその影響
口座差し押さえは裁判所の命令によって銀行に対し、あなたの普通預金や貯金口座のお金を差し押さえる手続きです。
借金の返済や未払いとなった税金などの回収でよく使われます。
口座差し押さえの特徴は以下の通りです。
- 銀行口座の残高全額または一部が差し押さえの対象になる
- 一度差し押さえられるとその口座からの引き出しや振り込みが制限される
- 給料や年金など口座に入金されたお金も対象になる
- 生活に必要なお金が差し押さえられるリスクがあるため、一定の生活保護基準に基づく差し押さえ制限がある
また、差し押さえ後は銀行から差し押さえの通知が借主に届き、引き出しできない状態となります。
さらに、口座差し押さえは、差し押さえ通告のタイミングによっては生活費が不足しやすくなるため、迅速な対応が求められます。
給与差し押さえの特徴と仕組み
給与差し押さえは、毎月の給料の一部が差し押さえられ、債権者に直接送金される仕組みです。
給料は生活に必要不可欠なお金なので、差し押さえにあっても一定の保障が法律で定められています。
特徴は以下の通りです。
- 毎月の給料から差し押さえられる金額が決まっている
- 差し押さえの上限は法律(生活費の保障)により決まっている
- 会社は裁判所の命令を受けて債権者に対し給料の一部を直接送金する
- 差し押さえにより生活費が極端に減らないよう配慮されている
給与差し押さえは給与明細に記載されることが多く、実際にどれだけ差し押さえられているかを確認しやすい特徴があります。
そのため、生活の見通しを立てやすいメリットがある一方、給料が減ることで家計に影響が出るため計画的な対応が必要です。
口座差し押さえと給与差し押さえの違いをまとめた表
項目 | 口座差し押さえ | 給与差し押さえ |
---|---|---|
対象 | 銀行口座の預金全般(普通預金、定期預金など) | 毎月受け取る給料の一部 |
手続き | 裁判所の差押命令を受けて銀行が実施 | 裁判所の差押命令を受けて会社が給与の一部を送金 |
差し押さえの範囲 | 全額または一部(生活に必要最低限は除かれる場合もある) | 法律で決められた上限額のみ |
生活への影響 | 突然お金が引き出せなくなり困ることが多い | 給料の減少が継続されるため長期的な影響がある |
通知 | 銀行から差し押さえ通知が届く | 会社の給与明細等で確認可能 |
差し押さえを受けたときの注意点と対策
差し押さえを受けたら、まず冷静に状況を把握することが大切です。
以下のポイントに気を付けてください。
- 差し押さえ通知の内容をよく読む
- 生活に必要な最低限の金額を確保できているか確認
- 返済計画を立てて債権者と相談する
- 必要なら専門家(弁護士・司法書士)に相談する
- 給与差し押さえの場合は会社に差し押さえ額の詳細を確認
特に口座差し押さえは突然資金が使えなくなるため、生活費用の別口座の用意や債務整理の検討も重要です。
また、給与差し押さえは毎月差し引かれるため家計の見直しと収支管理をしっかり行いましょう。
どちらの場合も、無理のない範囲で返済に向けて行動することが解決への近道となります。
口座差し押さえって、一見恐ろしい響きですが意外と「生活に最低限必要なお金」は差し押さえられないルールがあるんです。例えば銀行は、生活費として一定額までは凍結せずに引き出せるよう配慮しています。だからもし突然口座の残高が減ってても、すべてが取られたわけじゃありません。こうした配慮は法律上の取り決めで、債務者が最低限生活できるよう守られているんですよね。知らなかった人も多いはず!
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