
発行済株式数と発行済株式総数の違いとは?
株式に関連する言葉の中で、よく混同されがちな「発行済株式数」と「発行済株式総数」ですが、実は意味が微妙に異なります。どちらも会社が発行した株式の数を指していますが、その範囲や含むものに違いがあります。
まず「発行済株式数」とは、株主に実際に割り当てられ、所有されている株式の数を意味します。つまり、会社が発行して市場や株主に渡った株の合計数です。
一方、「発行済株式総数」は、会社が過去に発行した株式の総数を指します。ここには市場に流通している株式の数だけでなく、自己株式(会社が自分で買い戻した株)も含まれる時があります。
このように、発行済株式総数は発行済株式数よりも広い概念で、より多くの株式が含まれることが多いと覚えておくとよいでしょう。
株式市場や会社の経営において正確に把握するために、この違いは重要なポイントとなります。
発行済株式数と発行済株式総数の具体例
具体的な例で考えてみましょう。ある株式会社が、全体で発行した株式が100万株あったとします。このうち株主に渡っている株が90万株、残りの10万株は会社が自己株として保有しているとします。
この場合、発行済株式数は90万株、発行済株式総数は100万株となります。
よって市場や投資家が通常目にする株式数は90万株(発行済株式数)ですが、会社が発行した株の総数は100万株(発行済株式総数)ということになります。
この違いを理解することで、例えば一株あたりの利益(EPS)や配当金の計算にも影響が出ることがあります。
簡単にまとめた表を以下に示します。用語 意味 含まれる株 発行済株式数 市場に出ている株式数 株主保有株のみ(自己株式除く) 発行済株式総数 会社が発行した総株式数 株主保有株+自己株式など
なぜこの違いを知っておくべきか?
この2つの言葉の違いを知ることは、投資を考える上でとても大切です。
例えば、会社の利益を株式で割ることで、一株あたりの利益(EPS)を計算します。このとき、発行済株式数と発行済株式総数のどちらを使うかで数字が変わるため、会社の実力を正しく評価できるかどうか左右されます。
また、自己株式は配当の対象外であったり、議決権がなかったりするため、単に総数を見るだけでは株主の実態が見えにくいです。
こうした理由から、株式投資を安全に行うには、「発行済株式数」「発行済株式総数」の違いをよく理解し、会社の資料を読む際に注意することが重要なのです。
今後株に興味を持った際は、ぜひこのポイントを確認してみてください。
株の世界でよく耳にする「発行済株式総数」という言葉、実は会社が発行した全ての株の数だけでなく、自己株式(会社が自分で買い戻した株)も含むことがあるんです。自己株式は普通の株主に渡っていないので議決権も配当もありません。でも、総数に含むことで株の希薄化や会社の財務状況をより正しく把握できるんですね。つまり、見かけの数字だけで判断すると意外な落とし穴があるかも…そんな豆知識でした!