
主成分分析とは?
主成分分析(しゅせいぶんぶんせき)は、たくさんあるデータの中から大事な特徴を見つけ出すための方法です。
例えば、学校の成績や身長、体重など複数の情報があったとき、それを全部そのまま使うと複雑で扱いにくいですよね。
主成分分析は、たくさんの情報をまとめて「特徴的なポイント」を数値で表し、データを簡単にします。
つまり、似たようなデータをまとめて、いくつかの代表的な軸(これを「主成分」と言います)に変換する方法です。
これにより、データの中で一番多くの情報を含む部分を見つけることができます。
主にデータの要約や可視化に使われ、データ中のパターンや関係性を理解しやすくします。
学校のテストで例えると、多くの教科の点数をいくつかのグループにまとめて評価しやすくするイメージです。
主成分分析のポイント:
- 大量の変数を縮約する
- データの特徴を掴むために使う
- 分類よりも理解や可視化が目的
判別分析とは?
判別分析(はんべつぶんせき)は、データをどのグループに分類するかを判断する方法です。
例えば、赤いリンゴと青いリンゴがあったとき、形や重さ、色などを使って、新しいリンゴがどちらのタイプかを判別することができます。
判別分析は、既に分かれているグループに新しいデータがどこに属するかを予測するという点で、主成分分析とは目的が違います。
つまり、判別分析は「分類」するための分析技術で、医療やマーケティングなどでよく使われます。
例えば病気の診断で、患者データを使って「病気あり」か「病気なし」かを判別する場合です。
判別分析のポイント:
- グループ分けや分類が目的
- 事前にグループが決まっているデータが必要
- 新しいデータのグループを予測する
主成分分析と判別分析の違い
主成分分析と判別分析は、データ分析の中でもよく混同されやすいですが、役割や目的が大きく異なります。
以下の表で違いを整理しましょう。
項目 | 主成分分析(PCA) | 判別分析(LDAなど) |
---|---|---|
目的 | データの特徴を要約し、次元削減すること | データをグループに分類し、判別すること |
使い方 | データのパターンを見つけ、可視化やデータ圧縮に利用 | 既にあるグループを基に新しいデータの所属先を予測 |
必要な情報 | ラベル(グループ情報)は必要ない | ラベルが必要 |
主な用途 | データ要約、傾向の把握 | 分類問題、予測 |
このように、主成分分析はデータの特徴を見つけるために使い、判別分析はデータをグループ分けするために使います。
使い方や目的が違うため、データ分析を行う際にはどちらを使うか目的に合わせて選ぶことが大切です。
最後にまとめると、
主成分分析は「データの中に潜む重要なパターンや特徴を抽出する技術」、
判別分析は「データをあらかじめ用意されたグループに分ける技術」です。
両者の違いをしっかり理解して、分析に役立てていきましょう。
データの分類に使われる判別分析ですが、実はその性能はラベルの付け方に大きく左右されます。
たとえば、グループの境界があいまいだったり、データに重なりがあると誤判別が増えてしまいます。
そのため、データの前処理でラベル付けを丁寧に行うことが、判別分析の成功のカギとなります。
友達グループに例えると、仲間はずれがいると誰がどのグループか判断しづらいのと同じですね。
判別分析は、きちんと整理された情報が大切だということを覚えておくと良いでしょう。