
営業利益率と粗利率とは? 基本を押さえよう
まずは、それぞれの言葉の意味をしっかり理解することが大切です。
粗利率(あらりりつ)は、売上から売上原価を引いた利益の割合を示します。簡単に言えば、商品を作ったり仕入れた価格を差し引いた残りがどのくらいか、という割合です。
例えば、お菓子を100円で売ったとして、そのお菓子の材料費や仕入れ値が60円だった場合、粗利益は40円。この場合の粗利率は40%になります。
営業利益率(えいぎょうりえきりつ)は、売上から売上原価だけでなく販売費や一般管理費などの経費を引いたあと、残る利益の割合のことです。こちらは会社が本業でどのくらい利益が出ているかを示します。
つまり、粗利率は商品の売れ筋を、営業利益率は会社の経営状態を測る目安になる数字なんです。
営業利益率と粗利率の違いを詳しく解説
1. 粗利率は商品の利益力を示す指標
粗利率は、売れた商品の原価を差し引いたあとにどのくらい利益が残っているかを見る指標です。
ここには製造費や仕入れコストが関わっているため、商品の価格設定や仕入れ管理に関する評価に使われます。
2. 営業利益率は会社の営業効率を示す指標
営業利益率は、粗利からさらに人件費や広告費などの経費を差し引いたあとに残る利益の割合です。この数字が高いほど、経費を抑えて効率よく利益を上げていることになります。
3. 計算式の違い
指標 | 計算式 | 意味 |
---|---|---|
粗利率 | (売上 - 売上原価) ÷ 売上 × 100 | 商品単体の利益がどれだけ出ているか |
営業利益率 | 営業利益 ÷ 売上 × 100 | 本業からの利益効率を表す |
このように、粗利率は商品の『売上に占める利益率』、営業利益率は『会社の本業でどれだけ利益を出せているか』を表す指標として使われます。
実際の使い分けと重要性
経営者やビジネスパーソンは両方の指標を使って経営の健康状態を把握しています。
- 粗利率が低い場合:商品の価格設定や仕入れコストに問題がある可能性が高い。
- 営業利益率が低い場合:経費がかかりすぎている、もしくは営業活動の効率が悪いと考えられます。
また、粗利率が高くても営業利益率が低い場合は、営業や管理のコストが多くかかっていることを示します。
逆に営業利益率が高ければ、本業が効率よく運営できている証拠です。
次の表は違いをイメージしやすい具体例です。
この例の場合、粗利率は40%で商品単体では一定の利益が出ていますが、営業利益率が10%なので経費を引いた後の利益は控えめということになります。
このように両方を見てバランスの良い経営を目指すことが重要です。
まとめ:営業利益率と粗利率を使いこなそう
営業利益率と粗利率は、会社の利益の様子を違う角度から見るためのとても重要な指標です。
粗利率は商品の利益力を、営業利益率は会社全体の営業活動の効率や経費の使い方を示します。
どちらか一つだけでは経営の全体像を掴みにくいため、両者をセットで理解し、適切に活用することが企業の成長には欠かせません。
数字の意味を理解し、どこに問題があるかを見分けることで、より良い経営判断ができるようになります。
営業利益率と粗利率の中でも、実は粗利率ってとても面白い数字なんです。
なぜかというと、粗利率は商品1つ1つの『まるわかりマップ』のようなもので、どの商品が儲かっているか、どこでコストを削れるかがすぐに見えてきます。
たとえば100円で売っているお菓子があって、その材料費が60円。粗利は40円で、粗利率は40%。
値段を高くしても、材料費が高いままだと粗利率はほとんど変わらず、売り方や経費の工夫が必要だと教えてくれます。
この数字を見て『もっと材料を安くできないかな?』『値段を上げてもお客さんはどう思うかな?』と考えるのは、経営の第一歩。
数字が苦手な人も、粗利率の感覚を掴むとビジネスがぐっと身近に感じられるかも知れません。