
経費と給与所得控除の基本的な違いとは?
まずは、経費と給与所得控除が何かを理解しましょう。経費とは、仕事をするために使ったお金のことです。例えば、営業のために買った資料費や交通費が経費にあたります。
一方、給与所得控除は、会社員などが給与をもらうときに税金を計算する際に自動で差し引かれる金額のことです。これは、給与を得るために必要なさまざまな費用をまとめて簡単に控除できる制度です。
簡単に言うと、経費は実際にかかった費用を個別に計算して確定申告などで申告するもの、給与所得控除は給与所得者が税金を計算するときに使われる自動の控除という違いがあります。
経費の具体例と給与所得控除の計算方法
経費にあたるものは多種多様ですが、代表的なものをいくつか挙げてみます。
- 仕事に使うパソコンや文房具の購入費用
- 仕事のための交通費や宿泊費
- 取引先との会食費
- 広告宣伝費や通信費
これらは実際に使った金額を証明できる領収書などをもとに計上します。
一方、給与所得控除は国が定める計算式によって決められています。たとえば2023年の例では、給与所得控除は給与収入に応じて段階的に設定されており、下記の表のようになっています。
給与収入(年収) | 給与所得控除額 |
---|---|
162.5万円以下 | 55万円 |
162.5万円超~180万円以下 | 収入×40% |
〜360万円以下 | 収入×30%+18万円 |
〜660万円以下 | 収入×20%+54万円 |
〜850万円以下 | 収入×10%+120万円 |
850万円超 | 195万円(上限) |
このように給与所得控除はあらかじめ決まった計算式で算出され、経費のように個別の費用を申告する必要はありません。
経費と給与所得控除を使う場面の違い
経費は主に自営業者やフリーランス、または副業で確定申告をする人が使います。
給与所得控除は会社員やアルバイトなど、給与として給料をもらっている人に適用されます。これは会社が源泉徴収の際に自動で考慮されるので、自分で経費を申請しなくても税金計算に反映されます。
つまり、経費は申告者自身が費用を細かく記録して申告する必要がありますが、給与所得控除は給与の金額に応じて自動的に控除される仕組みです。
例えば、会社員がパソコンを仕事用に買っても、個人の経費として申告するのは簡単ではありませんが、自営業者ならその購入費を経費にできます。
まとめ
経費と給与所得控除はどちらも税金の負担を軽くする仕組みですが、経費は実際に使ったお金を証明して申告するもの、給与所得控除は給与所得者のためにあらかじめ計算されている控除であることが大きな違いです。
自分がどちらに該当するかを理解して、正しく申告や控除を利用しましょう。
今後も税金やお金の知識を増やして、賢く資産管理をしていきましょう!
給与所得控除ってちょっと面白いんですよ。会社員が働いて得た給料から自動的に差し引かれるもので、実は『平均的に仕事のためにかかる費用』を国がまとめて計算しているんです。つまり、一つ一つの経費を細かく申告しなくてもよくする便利な仕組みなんですね。だから、会社員の人は領収書をためなくても、ある程度の費用が控除される安心感があるんです。
でもこれが自営業者になると違って、実際の経費を細かく証明しないとダメなので、ちょっと手間がかかります。その代わり自分の仕事に必要なものは細かく経費にできる自由もあるというわけ。
つまり給与所得控除は会社員のための時短税金制度みたいなものだと言えますね。