
強迫性障害と強迫症の基本的な違いとは?
まず、強迫性障害と強迫症という言葉は、日常では混同されがちです。
強迫性障害(OCD:Obsessive-Compulsive Disorder)は精神医学の正式な診断名であり、強迫観念と強迫行為が繰り返されて生活や仕事に支障をきたす状態を指します。
一方、強迫症という言葉は、主に一般の人やメディアが使うことが多い俗称で、強迫性障害とほぼ同義とされることが多いですが、正式な医学用語ではないため注意が必要です。
このように、正式か俗称かという違いが大きなポイントとなっています。
強迫性障害の特徴と具体例
強迫性障害は不安を強く感じることからいくつかの特徴があります。
主な特徴は以下の通りです。
- 強迫観念:不安や嫌なイメージが頭から離れず、繰り返し強く思い浮かぶ
- 強迫行為:その不安を減らそうとして行う決まった行動や儀式
- 日常生活に支障が出るほど症状がひどい
具体的には、手を何度も洗わないと不潔だと感じたり、ドアの鍵を確認しすぎて時間がかかったりすることがあります。
この障害は治療によって症状を和らげることが可能で、心理療法や薬物療法が使われることが多いです。
強迫症という言葉の使われ方と誤解
強迫症はあまり医学書などで見かけませんが、日常会話やネット上でよく使われています。
この言葉は強迫性障害を短縮した、あるいはわかりやすく言い換えたものと考えられており、意味自体は強迫性障害とほぼ同じです。
ただし、強迫症という言葉により軽い症状や単なる癖のように受け取られてしまうことがよくあり、実際の強迫性障害とは重篤さが異なる誤解を招くことがあるので注意が必要です。
例えば「手を何回も洗う癖を強迫症と言う」など軽く言うと、強迫性障害患者の理解が進みにくくなる恐れがあります。
強迫性障害と強迫症の違いをわかりやすくまとめた表
ポイント | 強迫性障害 | 強迫症 |
---|---|---|
正式な名称 | あり(医学的診断名) | なし(俗称・略称) |
意味 | 強迫観念と強迫行為がひどく日常生活に支障をきたす病気 | 強迫性障害を指すことが多いが、軽い意味や誤用もある |
使用される場面 | 医療・診断・治療の場 | 日常会話やネット、俗語的な場 |
印象 | 病気として深刻に扱われる | 癖や特徴のイメージが混在しやすい |
まとめ
強迫性障害と強迫症は言葉の使われ方と正式性に違いがあります。
医学の世界では強迫性障害が正式名称であり、きちんとした治療が必要な病気です。
一方強迫症という言葉は一般的に使われる俗称で、
意味があいまいだったり軽く表現されたりすることが多いので、しっかり理解することが大切です。
この違いを知ることで、本人や周りの人たちが症状を正しく理解し、適切に対応していくことが可能になります。
強迫性障害には「強迫観念」と「強迫行為」という二つの柱があります。強迫観念は、消えない不安や嫌な考えが頭に浮かんでしまう状態のことです。例えば、手が汚れているという考えが何度も浮かび、気になって仕方なくなるのです。一方、強迫行為はその不安を減らそうとして何度も同じ行動を繰り返すこと。実は、こうした行動は脳が不安を避けようとして自動的に行うことであり、本人は止めたくてもなかなかやめられないのが特徴。これが強迫性障害のつらさの一つなんですよね。
身近な例では「何度も手を洗う」「鍵のかけ忘れを何度も確認する」行動がこれにあたります。この両者が組み合わさることで症状が重くなり、日常生活に大きな影響を与えてしまいます。
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