
告訴状と訴状って何?基本を理解しよう
法律の世界でよく聞く言葉に「告訴状」と「訴状」があります。どちらも法律に関わる文書ですが、使われる場面や目的が違います。
まず、告訴状は犯罪があったときに、被害者や関係者が警察や検察に対してその犯罪をしらせるための書類です。たとえば、誰かに物を盗まれた場合に「盗まれました」と警察に伝えるためのものですね。
一方、訴状は裁判所に提出する書類で、民事訴訟や損害賠償など、法律上の問題を裁判によって解決したいときに使います。たとえば、お金の貸し借りでもめた場合にお金を返してほしい!と裁判で訴えるときに必要な書類です。
こうして見ると、告訴状は刑事事件、訴状は民事事件で使われることが多い点が大きな違いだとわかります。
告訴状の特徴と使い方
告訴状は犯罪の被害者や関係者が警察や検察に提出します。
犯罪とは、法律で禁止されている行為のことで、例えば暴力や窃盗(盗み)、詐欺などです。
告訴状には、起こった事件の内容や被害の詳しい状況を書きます。
これにより警察は捜査を開始でき、場合によっては犯人を逮捕したり、検察に事件を送致したりします。
告訴状がないと被害者の意思表示がはっきりしないため、犯罪をもみ消してしまう恐れもあります。
告訴状は被害者が加害者を罰したいときの第一歩と言えるでしょう。
訴状の特徴と使い方
一方で訴状は、裁判で争いを解決したいときに裁判所に提出する文書です。
たとえばお金の貸し借り、契約の違反、土地や建物の権利問題など、日常生活やビジネスで起こる様々なトラブルがあります。
訴状の中には、問題となっている内容や自分の主張、裁判に求める結果(例えば○○万円を返してほしい、など)を書きます。
裁判所は訴状を元に事件を受理し、手続きが進められます。
訴状は民事訴訟のスタート地点とも言えます。きちんと主張を書くことが、裁判の結果に大きく影響してきます。
告訴状と訴状の違いを表でまとめると
ポイント | 告訴状 | 訴状 |
---|---|---|
目的 | 犯罪を警察や検察に伝えて処罰を求める | 裁判所に法律問題の解決を求める |
使われる場面 | 刑事事件(犯罪の被害) | 民事事件(金銭や権利トラブルなど) |
提出先 | 警察・検察庁 | 裁判所 |
提出者 | 被害者や関係者 | 原告(訴えを起こす側) |
内容 | 事件内容・被害状況 | 問題の詳細・求める解決 |
このように、告訴状と訴状は法律問題の中でも扱う分野や役割が違うため、間違えないよう注意しましょう。
どちらも書き方や手続きが決まっていますが、内容によっては専門家である弁護士に相談するのが安心です。
告訴状と訴状、どちらを出せばいいか迷ったら、問題が犯罪か民事かを考え、そのあとに提出先や目的をはっきりさせようという点が大切です。
「告訴状」という言葉を聞くと、警察に届け出るイメージがありますが、実は告訴するには期限があります。この「告訴期限」は犯罪の種類によって違い、例えば暴行罪の場合は3か月以内に告訴しないといけません。被害者の気持ちを尊重しつつも、法律のルールも守らなければならない点が、告訴状の奥深さですね。普段意識しにくいけれど、実はとても重要なポイントです。
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