
痛風と高尿酸血症の違いとは?基礎知識を押さえよう
痛風と高尿酸血症は、どちらも尿酸に関係する病気ですが、実は違うものです。高尿酸血症は血液中の尿酸濃度が高い状態を指し、多くの場合、症状がありません。一方で痛風は高尿酸血症が原因で起こる関節の炎症で、激しい痛みが特徴です。
つまり、高尿酸血症は痛風のリスク因子であり、「尿酸が高い状態」が続くと、関節に尿酸の結晶が溜まって痛風発作となります。
ここで、尿酸とは、体内でプリン体という物質が分解されたときにできる老廃物です。通常は尿や便から排泄されますが、排泄が追いつかないと血液中に溜まり、高尿酸血症となります。
痛風と高尿酸血症の違いを理解することは、正しい予防と治療の第一歩です。
痛風と高尿酸血症の症状と診断の違い
高尿酸血症は無症状の場合が多く、健康診断などで血液検査を受けた際に偶然見つかることがほとんどです。尿酸値が7.0mg/dL以上だと高尿酸血症と診断されることが多いですが、日本の基準では多少異なることもあります。
一方、痛風は突然、激しい関節の痛みと腫れを伴います。特に足の親指の付け根(第1中足指節関節)に発作が起きやすく、熱を持って赤く腫れあがります。
痛風発作は数日から一週間程度続きますが、その間は関節が非常に痛み動かすことも困難になります。
このように、高尿酸血症は「症状がない」状態、痛風は「症状のある」状態と言えます。
原因と予防:痛風と高尿酸血症の違いを理解して生活改善を!
高尿酸血症の主な原因は尿酸の作りすぎと排泄の低下です。プリン体を多く含む食品の過剰摂取、肥満、アルコールの飲みすぎ、腎機能の低下などが関与します。
一方で、痛風は高尿酸血症が長期間続き、血液中の尿酸が結晶化して関節に溜まることで発生します。
そのため、予防には高尿酸血症の段階で尿酸値をコントロールすることが重要です。プリン体の多い食品(レバーや干物など)を控え、水分を十分にとること、適度な運動で体重管理を行うことが基本です。
また、医師により尿酸降下薬が処方されることもあり、長期的な管理が必要になる場合があります。
痛風の痛みを防ぐためにも、高尿酸血症のうちから生活習慣を見直しましょう。
痛風と高尿酸血症の治療方法の違い
高尿酸血症は基本的に無症状なので、生活習慣の改善が第一の対応となります。
・プリン体の摂取制限
・適切な体重管理
・アルコール制限
・十分な水分摂取
これらによって尿酸値を下げることが目標です。
一方、痛風発作が起きた場合は激しい痛みを抑える治療が必要です。
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
・コルヒチン
・副腎皮質ステロイド
これらの薬で炎症と痛みを和らげます。また、慢性的な痛風の管理には尿酸降下薬が用いられます。発作時に無理に尿酸を下げる治療は逆効果になるので注意が必要です。
つまり、高尿酸血症は「予防」、痛風発作は「対症療法」が基本であり、それぞれの段階で治療方法は大きく異なります。
痛風と高尿酸血症の違いまとめ表
ポイント | 高尿酸血症 | 痛風 |
---|---|---|
状態 | 尿酸値が高い(血液中に尿酸が多い) | 尿酸結晶が関節に溜まり炎症を起こす |
症状 | ほとんど無症状 | 激しい関節の痛み・腫れ |
原因 | 尿酸の過剰産生や排泄低下 | 高尿酸血症の放置により発症 |
治療 | 生活習慣改善、必要に応じ薬物療法 | 発作時は抗炎症薬、慢性期に尿酸降下薬 |
痛風と高尿酸血症は密接に関連していますが、「痛風は高尿酸血症の症状が具体化したもの」と言えます。健康診断で尿酸値が高いと言われたら、食生活や生活習慣を見直して、痛風になる前に予防しましょう。
定期的に医師の診察を受けて、正しい知識と対応を心がけることが大切です。
実は「高尿酸血症」があるからといって、必ずしも痛風になるわけではありません。
尿酸値が高くても症状が全くない人も多く、数値だけで焦らないことが大切です。
痛風発作は体の中で突然尿酸結晶が結びついて起こる炎症が原因。
だから生活習慣の見直しや適切な医療管理で、長い期間無症状のまま過ごせることも多いんですよ。
予防と管理で痛風を怖がりすぎず、正しく対応しましょう!
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