
リース債務とリース資産とは何か?
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リース取引を会計で正しく理解するためには、「リース債務」と「リース資産」の違いをしっかり押さえることが大切です。
簡単に言うと、リース資産は「借りている物(車や設備など)」のこと、リース債務は「その借りている物に対して支払わなければならないお金」のことを表します。
企業がリース契約をすると、会計上は借りている資産を「資産」として記録します。同時に、その資産に対して将来支払うリース料を「負債」として計上するのです。これがリース資産とリース債務の基本的な関係です。
このように両者は表裏一体で、資産面と負債面から企業の状況を正しく示すために使われています。次の見出しでは、それぞれをもっと詳しく解説していきます。
リース資産は何を意味する?詳しい解説
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リース資産とは、リース契約によって貸借されている資産そのものを意味します。
たとえば、企業が営業車をリースで借りた場合、その車はリース資産として会計帳簿に記録されます。この資産は企業が所有するわけではありませんが、長期にわたって利用できるので資産として扱われます。
この資産の価値は、リース開始時の公正価値やリース料の現在価値などを基に算出し、貸借対照表に計上されます。
リース資産は、減価償却という処理を通じて価値を徐々に減らしていきます。実際には、借りている資産を使って収益を得るため、その使用期間にわたって価値を配分しているのです。
まとめると、リース資産は「借りている設備や車など実際に使える物」を表し、その価値が企業の財産として会計に記録されるものです。
リース債務とは?わかりやすい説明
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リース債務は、リース契約に基づいて将来にわたって支払わなければならないお金、つまり企業の負債を指します。
リース資産と同じくリース契約開始時に、支払総額の現在価値を計算して負債として貸借対照表に記帳されます。
企業は毎期の決算で、リース債務の元本部分と利息部分に分けて支払いを行います。元本は債務の減少に充てられ、利息は費用として損益計算書に計上されます。
このようにリース債務は、「借りた資産に対してこれから支払うお金の現在価値」だとイメージするとわかりやすいです。
リース債務があることで、企業の負債が増えるため、資産とのバランスや支払い能力も見られます。
リース債務とリース資産の違いまとめ表
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項目 | <リース資産 | <リース債務 | <
---|---|---|
意味 | <借りている物の資産価値(設備・車など) | <支払うべきリース料の負債部分 | <
会計の位置づけ | <資産(貸借対照表の資産側) | <負債(貸借対照表の負債側) | <
計上基準 | <リース対象物の使用権価値(現在価値など) | <支払総額の現在価値で計上 | <
会計処理 | <減価償却で期間配分 | <元本返済と利息費用に分けて支払 | <
以上のように、リース資産は利用している物自体の価値を示し、リース債務はその対価として支払わなければならないお金の責任を表します。
企業の財務状態を正確に理解するには、両者の違いを知っておくことが欠かせません。
リース契約に関する会計基準も年々変化しているので、最新のルールにも注意しましょう。
この記事が、リース債務とリース資産の違いをやさしく理解する手助けとなれば幸いです。
「リース資産」の言葉を聞くと、なんだか難しい響きに感じるかもしれませんが、実はこれは『借りている物そのもの』のことです。例えば会社が車や機械をリースして使っている場合、その車や機械は会社のものではないけど、使う権利があります。この使う権利のことを会計では『リース資産』と呼びます。面白いのは、実際の所有権は貸している会社にあるのに、会計上は借りている側の会社の資産として計上される点です。これによって企業は借り物でも資産として扱い、利用価値を数字で示せるのです。
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