
プログラミングにおける「列挙型」と「構造体」とは何か?
プログラミングを始めたばかりの人にとって、「列挙型(れっきょがた)」と「構造体(こうぞうたい)」はよく耳にする言葉です。どちらもデータを扱うときによく使われますが、その違いがわかりにくいこともあります。
列挙型は、名前の通り「いくつかの選択肢を列挙する」型で、決まった値の中から1つだけを選ぶ仕組みです。例えば、曜日(Monday、Tuesday、Wednesday……)や信号の色(赤、黄、緑)など、決まった種類だけを表すのに使います。
一方の構造体は、複数の異なる種類のデータを「ひとまとめ」にしたものです。例えば、人の情報なら「名前(文字列)」「年齢(数値)」「身長(数値)」などの情報を一つのまとまりとして扱えます。
この2つはどちらもデータを扱う道具ですが、使い方や役割に違いがあります。ここから詳しく見ていきましょう。
列挙型の特徴と使い方
列挙型は、決まった選択肢の中から一つだけを選ぶための「型」です。たとえば、プログラミングで次のように書きます(例はC言語風です)。
enum Color { RED, GREEN, BLUE };
この場合、Color型の変数はREDかGREENかBLUEのどれかだけを取ることができます。
列挙型のメリットは、値が決まっているから、間違った値を使わないようにコンピュータがチェックしてくれる点です。また、数字よりも意味のある名前で扱えるので読みやすくなります。
ただし、列挙型は一種類の値しか持てません。つまり、「赤」や「緑」といった単純な状態を表現するのに適している、ということです。
列挙型の用途は、状態の区別や選択肢を整理したいときに便利で、たとえば「曜日」「信号」「飲み物の選択肢」などのように、まとまった選択肢があるときに活躍します。
構造体の特徴と使い方
一方、構造体は複数のデータをグループ化できる「箱」のようなものです。例えば、次のように書きます。
struct Person { char name[20]; int age; float height; };
これは「Person」という名前の構造体で、名前、年齢、身長をまとめて扱えます。使うときは、一つのPerson変数に複数の情報を入れることができます。
構造体の強みは、関連するデータをまとめて扱えることです。これにより、プログラムが整理されやすくなり、複雑な情報も見やすく管理できます。
例えばゲームのキャラクターの情報や、住所録のデータなど、複数の属性をまとめて使いたいときに構造体が役立ちます。
一方で、構造体は中身が色々あるので場合によっては複雑になりがちです。ですが、使いこなせばプログラムがすっきりするためとても重要な仕組みです。
列挙型と構造体の違いをわかりやすくまとめると?
列挙型と構造体は、それぞれの役割がはっきり違います。ここでわかりやすくまとめてみましょう。
ポイント | 列挙型 | 構造体 |
---|---|---|
表現できるデータ | 決まった選択肢の中の1つ(例:曜日、色など) | 複数の異なるデータをまとめたもの(例:名前、年齢など) |
使いどころ | データの種類が限られているとき | 複数の属性を持つ情報をまとめたいとき |
特徴 | 単純で間違いが少ない | 複雑な情報も整理できる |
例 | 曜日、信号、性別 | 人の情報、住所、ゲームキャラクター |
まとめると、「列挙型は限定された選択肢を表す型」で、「構造体は複数のデータを一つにまとめて表す型」と覚えるとわかりやすいです。
初心者のうちは、両方の違いを押さえて使い分けできるようになると、プログラムがどんどん書きやすくなりますよ!
「列挙型」のおもしろいポイントの一つは、実はコンピュータの中では数字として扱われていることです。例えば、赤(RED)=0、緑(GREEN)=1、青(BLUE)=2というように番号が振られています。でもプログラムを書くときは数字ではなく名前で扱うので、間違いにくく読みやすくなるんです。
また、言語によっては列挙型のその数字の割り当てを自由に変えられることもあって、プログラミングの奥深さを感じる部分です。これを知ると、列挙型が単なる名前リストではなく、背後に数字の仕組みがある特別な仕組みだと分かって面白いですよね。
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