
事業譲渡と資産売却の違いとは?基本を押さえよう
企業が持っているものを他の会社や人に渡す方法には、大きく分けて事業譲渡と資産売却があります。この2つは似ているようで全く違う取引の形態です。
まず、事業譲渡は会社の「事業そのもの」を丸ごと譲ることを意味します。つまり、事業活動を行う上で必要な資産、負債、従業員、契約など様々な要素がセットで譲られます。一方、資産売却はその会社が持つ具体的な資産だけを売る取引です。資産とは土地や建物、機械、在庫など物理的なものや、ソフトウェアや特許権などの権利も含まれます。
要するに、事業譲渡は「事業という1つのまとまった単位を引き継ぐこと」、資産売却は「特定の物や権利だけを売ること」と覚えると良いでしょう。
事業譲渡の特徴とメリット・デメリットを解説
事業譲渡は事業全体を譲渡するため、買い手は始めから一つの会社のように事業を動かせるという特徴があります。譲渡対象には資産だけでなく負債や契約、従業員まで含まれるため、事業の継続性が高いです。
【メリット】
- 買い手は既に運営が整った事業を一括取得できる
- 顧客や従業員もそのまま引き継げる場合が多い
【デメリット】
- 譲渡のための手続きや契約が複雑になる
- 負債も引き継ぐ場合がありリスクがある
こちらは契約や手続きに時間がかかることもあるため、専門家の助けを借りるケースが多くなります。
資産売却の特徴とメリット・デメリットを解説
資産売却は特定の資産だけを売る取引なので、売る側と買う側で譲渡する内容を細かく決められます。不要な資産だけを売って資金を得たいときや、事業の一部だけを処分したいときに利用されます。
【メリット】
- 売りたい資産だけを選べるため自由度が高い
- 手続きが事業譲渡に比べ簡単で速い場合が多い
【デメリット】
- 資産だけの譲渡のため事業全体の継続は難しい
- 契約や従業員は引き継げない
資産売却は部分的な整理や資金調達に便利ですが、事業の継続を目的とする場合は注意が必要です。
まとめ:主な違いをわかりやすく表で比較
ポイント | 事業譲渡 | 資産売却 |
---|---|---|
譲渡対象 | 事業の全部または一部(資産・負債・契約等) | 特定の資産のみ(機械・不動産・商品など) |
従業員の引継ぎ | 可能(案件による) | 通常なし |
契約の引継ぎ | 可能 | 原則不可 |
手続きの複雑さ | 複雑で専門知識が必要 | 比較的簡単 |
事業継続性 | 高い | 低い |
このように、事業譲渡は事業運営全体を丸ごと引き継ぎたい時、資産売却は余分なものや限定された資産だけ売りたい時に向いています。
どちらを選ぶかは目的や状況によって異なりますので、専門の弁護士や会計士に相談しながら進めることをおすすめします。
じつは「事業譲渡」という言葉、法律上の手続きがとても多くて複雑なんです。でも、買い手にとっては事業をまるごと引き継げるメリットがあるので、新しい会社を一から作るより手間が少ない!逆に資産売却は好きなものだけ売れるけど、事業そのものは続けられません。だから目的によって上手に使い分けることが大事ですよね。これは会社の引っ越しやお片付けみたいなイメージで覚えるとわかりやすいかも!