
肝機能と腎機能とは何か?基本の理解をしよう
肝機能と腎機能は、私たちの体の中でとても大切な役割を持つ臓器の働きのことです。
肝機能は主に肝臓が担当していて、体に入ってきた食べ物や薬を分解したり、エネルギーを作ったり、体に溜まった毒素を取り除く役割があります。
一方で、腎機能は腎臓の働きで、血液をろ過して不要なものや余分な水分を尿として体の外に出す役目です。
どちらも体を清潔に保ち、健康な状態を維持するために欠かせない大切な役割を持っていますが、その働きはかなり違います。
肝機能の役割と働きの特徴
肝臓は体内最大の臓器で、重さは約1.5キログラムもあります。
肝機能の主な働きは、大きく分けて次の3つです。
- 栄養の代謝:食べたものからエネルギーや体に必要な物質を作る
- 解毒作用:体に害のある毒素や薬、アルコールを分解して無毒化する
- 胆汁の生成:脂肪の消化を助ける胆汁を作る
例えば、肝機能が正常ならば、食べ物から栄養をしっかり吸収し、有害物質を安全に体から排除できます。逆に肝機能が低下すると疲れやすくなったり、黄疸(皮膚や目が黄色くなる)などの症状があらわれることがあります。
腎機能の役割と働きの特徴
腎臓は左右に一つずつあり、豆の形をした臓器です。
腎機能には主に次の3つの働きがあります。
- 血液のろ過:老廃物や余分な水分を尿として体外へ排泄する
- 体の水分や塩分のバランス調整
- 血圧の調整や赤血球の生成の調節を助けるホルモンを作る
腎機能が正常だと、血液はきれいに保たれ、体の水分や塩分のバランスも適切に保たれます。腎機能が落ちるとむくみや高血圧、疲労感が出ることがあるので注意が必要です。
肝機能と腎機能の違いを表で比較しよう
ポイント | 肝機能 | 腎機能 |
---|---|---|
主な担当臓器 | 肝臓 | 腎臓 |
主な働き | 栄養代謝、解毒、胆汁生成 | 血液ろ過、体液調整、ホルモン生成 |
障害時の症状 | 疲れやすさ、黄疸、食欲不振 | むくみ、高血圧、倦怠感 |
臓器の特徴 | 体内最大の臓器 | 豆型の臓器が左右に一つずつ |
健康維持のためにできること
肝臓も腎臓も無理をさせず、健康を保つことが大切です。
例えば、肝機能を守るためには
- 暴飲暴食を控える
- アルコールの摂取量に注意する
- バランスのよい食事を心がける
腎機能を守るためには
- 水分を適切に取る
- 塩分の摂りすぎを控える
- 高血圧や糖尿病の管理を行う
また、定期的な健康診断で肝機能検査や腎機能検査を受けましょう。何か異常があれば早めに医師に相談することが重要です。
このように肝機能と腎機能は役割も体への影響も違いますが、どちらも健康を守るために大切な働きを持っていることをぜひ理解してください。
ピックアップ解説
肝機能の代表的な働きの一つに「解毒作用」がありますが、実は肝臓は「化学工場」のように多彩な化学反応を行っています。
アルコールや薬が肝臓に入ると、まずは体にとって扱いやすい形に変えるために酵素が働きます。この過程で、実は有害な中間物質ができることもありますが、肝臓はさらにそれを無害化する機能も持っています。
つまり肝臓は体に入る様々な物質をくるくると変身させながら解毒しているスゴイ臓器なのです。
このため、肝機能が落ちると体に毒素がたまりやすくなり、疲れやすくなったり病気になりやすくなることがあります。肝臓の解毒作用のしくみを知ると、節度ある飲酒や薬の管理の大切さがよくわかりますよね。