
捨印と捺印の基本的な意味とは?
まずは「捨印」と「捺印」の意味について考えてみましょう。
捨印(すていん)とは、書類の余白部分にあらかじめ押印しておく印鑑のことを指します。主に訂正があった時など、相手方に修正する権限を与えるために使われます。
一方、捺印(なついん)は、正式な文書に対して押す印鑑のことで、契約や同意の証明として重要な役割を果たします。
このように両者は用途や意味が全く異なるため、間違えて使うとトラブルの原因になることもあるのです。
捨印の特徴と使い方
捨印は訂正をスムーズに進めるために重要な意味を持ちます。
例えば、契約書の誤字や数字の間違いを見つけたとき、その都度当事者全員の署名を再度もらうのは大変ですよね。そこで、「ここに捨印を押しておくことで、小さな訂正ならこの印鑑を使って修正していいよ」という了承の意味が込められています。
ただし、捨印を押すと相手に修正の自由が与えられるため、信用できる相手にしか使わないほうが安心です。また、捨印は書類の余白に押すのが基本で、正式な契約印としては扱われません。
捺印の特徴と重要性
一方、捺印は契約や合意を証明する重要なものです。
捺印された書類は法律的な効力を持ち、契約内容の証明になります。
例えば、家を買う契約書や会社との雇用契約書には必ず押されるものです。
捺印は本人や代表者が直接押すことが求められることが多く、その押印自体が本人の意思表示を示します。
ですので、捨印とは違い、押印する位置や方法が厳しく決まっています。
捨印と捺印の違いをわかりやすくまとめた表
項目 | 捨印 | 捺印 |
---|---|---|
意味 | 訂正を許可するための印鑑 | 契約や同意の証明の印鑑 |
使い方 | 書類の余白に押す | 正式な署名欄に押す |
効力 | 訂正にのみ使える | 法律的効力がある |
押印者 | 本人または代表者 | 本人または代表者 |
注意点 | 悪用される可能性があるので信頼できる相手にのみ | 本人の同意が必須 |
まとめ
捨印は書類の訂正をスムーズにするための「予備の押印」であり、契約の本印とは違います。
捺印は契約や同意を示す「正式な押印」です。
この二つは見た目は似ていますが、使う場所や意味が大きく違うため、きちんと理解して使い分けましょう。
特に、捨印はトラブル防止のために信頼できる相手にしか使用しないことが重要です。
それぞれの意味と使い方を正しく覚えることで、書類のやりとりを円滑にし、誤解を防ぐことができます。
「捨印」って意外と知られていない用語ですが、実はちょっと怖い側面もあるんですよ。余白に押しておくと、あとで相手が修正できることを許してしまうので、信頼できる相手じゃないとトラブルになることもあります。だから、捨印は信頼関係が大切な書類にだけ使うのが鉄則です。
ちなみに、捨印があるとちょっとだけスムーズに訂正できるので、ビジネスの現場では結構活用されています。でも「捨てる」印だからって気軽に押すのは要注意ですね!